給排水設備

給排水設備について

給排水設備とは、建物に水を供給する「給水設備」と、建物から使用した水を排水する「排水設備」の総称です。
人間の健康に多大な影響を及ぼすため、現代の生活においては欠かすことの出来ない「」に関連したこれらの設備。
もしも破損・故障などしてしまった場合、水が止まったり汚水が溢れたりするなどの危険性があるため、設置場所が適正か・運転の異常・腐食や漏れなどはないかなどを定期的に点検したり、清掃を行わなければなりません。
点検の周期は地域によっても違いがありますが、おおよそ半年~1年以内に行い、その建物が属する行政機関に結果を報告するよう定められています。

給排水設備には、具体的に以下のようなものがあります。

給水設備

給水管

上水道の本管から、建物内に上水を引き入れる配管。
一般的な住宅の場合は、給水管からそのまま蛇口などの給水栓へと直結で給水され、使用者に上水が届けられる。

貯水槽

上水道などから引き入れた水を、一時的に貯めておく設備の総称。
上水道用水以外にも、工業用水や防火用水を貯めているものもある。
そして、貯水槽にも以下のような分類がある。

①受水槽
上水道から引き込んだ上水を、建物の1階や地下に貯めておく設備。
②高架水槽
ビルやマンションなど、中高層の建物の屋上などの高い所に設置された受水槽。

③圧力水槽
給水ポンプの吐出管に直結した密閉加圧の受水槽。
給水ポンポの水圧によって上階へと水道水を上げる役割を持つ。

給水ポンプ

上水道の本管から引き入れた水や、貯水槽に貯められた水が、そのままでは圧力不足で建物内の各所へと行き渡らないため、圧力をかけて行き渡らせるためのポンプ。
用途によって以下の種類がある。

①揚水ポンプ
受水槽から圧力水槽を通して高架水槽へと、水を汲み上げるために圧力をかけるポンプ。
高架水槽のある大規模な建物にある。
②増圧ポンプ
貯水槽を置けないが、それなりに規模があり建物各所へと水が行き渡らない建物にある。
水道管から引き入れた水に圧力をかけ、建物の各所へと行き渡らせる。
③加圧ポンプ
受水槽から建物各所へ水を行き渡らせるために圧力をかけるポンプ。
受水槽はあるが、高架水槽はない程度の規模の建物にある。

給湯設備

湯沸かし器や循環ポンプ、ボイラーなどの加熱した水を供給するための設備。
使用場所ごとに加熱装置を設置する「局所方式」と、中央部の1ヵ所の加熱装置から配管によって湯を使用場所まで供給する「中央方式」がある。

排水設備

排水管

建物内で使用された水を、下水道管まで送り出す配管。
排水の種類によって以下の3つに分類される。

①雑排水管
キッチンや浴室、洗面所、洗濯機などで使用された水を流す排水管。

②汚水排水管
トイレで使用された水を流す排水管。

③雨水排水管
雨樋などから集まる雨水を流す排水管。

通気管

排水管の中を換気したり、排水が流れやすいよう管内の空気圧調整を行うための気管。

排水槽

建物の構造上、排水が下水道まで、排水管内を自然に流れることが出来ない場合、排水を一時的に貯めておく設備。
キッチンや浴室、洗面所、洗濯機などで使用された水を貯める「雑排水槽」と、トイレで使用された水を貯める「汚水槽」がある。

排水ポンプ

排水槽に貯められた、建物の構造上自然には流れていかない排水を、下水管に流すために圧力をかけるポンプ。