昇降機設備

昇降機設備について

昇降機設備とは建築物内において人や物等を階をまたいで運送する設備のことで、主にエレベーターやエスカレーターのことを指します。

エレベーター

エレベーターを用途によって分類すると、乗用や入荷用、物用、病院患者用などがあり、さらに乗用には展望用エレベーターや防災設備の非常用エレベーターなどがあります。
エレベーターの構造には、油圧式やロープ式などがあります。
油圧式エレベーターは、かごを油圧ジャッキの押上げ力で上昇させ、自重によって下降させます。
ロープ式エレベーターは、かごと釣合おもりをワイヤロープによって結んで、巻上機の綱車にかけたワイヤロープと綱車との摩擦力で駆動するしくみです。
また、近年では機械室を必要としないマシーンルームレスエレベーターを採用する建築物も増えています。

●エレベーターの安全装置

エレベーターには、 非常事態に備えるための安全装置の設置が義務付けられています。具体的には、出入口の戸が閉じていないとエレベーターが階を移動できない装置や、停電などの非常時に外部と連絡をとるための通信装置、かごの降下が速過ぎる場合に自動的に停止する装置などがあります。
また、防災対策としては、地震の初期微動を感知するもので、原則としてエレベーターの昇降路底部または建築物の基礎に近い階に設置されています。

エスカレーター

エスカレーターは、一定方向の人間の流れに対して大きな輸送力を持つことからデバートやショッピングモール、駅や空港、大規模建築物などに広く使われています。エスカレーターの構造は法令で定められており、勾配の角度は30度以下、速度は30~40m/分となっています。なお、エスカレーターの勾配の角度が30度を超える場合には、「勾配は35度以下」、「踏段の定格速度は30m/分以下」、「揚程は6m以下」などの制限が設けられています。

●エスカレーターの安全装置

エスカレーターの安全装置には、階段くさりが切断したときの自動停止装置や、踏段側面とスカートガードの間・ハンドレールの入込口に人や物が挟まり巻き込まれた際に自動停止する装置などがあります。