空気調和設備とは
空気調和設備は室内の人や物に対し、温度や湿度、気流、清浄度を良好な状態に処理・制御するための設備です。
万人にわかりやすく言うと、エアコンやダクトなどのことになります。
人に対する空気調和を「保健空調」、物品に対する空気調和を「産業空調」と言います。
空気調和設備は、冷却や加熱のための「熱源設備」、その熱を運ぶための「熱搬送設備」、室内の空気の調和を取るための「空気調和機設備」があり、更にこれらを管理制御する「自動制御設備」によって構成されています。
これらの設備は全てが揃って機能しているものであるため、どこか1つの設備でも故障してしまうと空気調和機設備として機能しなくなってしまいます。
そのため、定期的な保全が不可欠になっています。
空気調和設備の制御方式
全体制御方式
一つの建物全体の冷暖房などの空調を、1つの空調機と1つのダクト系のみで行う方式。
1部屋1部屋の温度調節を行うことが出来ない。
現在だとあまり採用されていない方式。
個別制御方式
各部屋それぞれに空調機を設置して、冷暖房などの空調を行う方式。
各部屋での温度調節を行うことが可能。
現在だと病院やホテルなど、幅広い建物で採用されている。
ゾーン制御方式
建物内を区域(ゾーン)で分けて、その区域ごとに異なる系統の空調を使用する方式。
区域の分け方として、日照の量の違いによって分ける「方位別ゾーニング」と、部屋の使用目的によって分ける「使用別ゾーニング」がある。
両方のゾーニングを併用するというやり方もある。
空調システムの衛生管理
エアコンなどの空調機内部の温度や湿度の条件は、微生物などが非常に繁殖しやすい環境となっており、空調機内には多くの菌が生息しています。
それらが繁殖してしまうと、空調を通して室内に広く拡散してしまい、室内にいる利用者の健康に影響が出ることにも繋がってしまうため、空調機の適切な維持管理が必要です。
建築物衛生法では、
「冷却塔や冷却水、加湿装置の点検を定期的に行うこと」
「冷却塔や加湿装置に供給する水を水道法で規定された水質基準に適合させること」
「空気調和設備内の排水受けの汚れや閉塞の点検を定期的に行うこと」
などと定められています。
また、冷却塔や冷却水の水管および加湿装置は、年に1回は清掃を行う必要があります。